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MAT Exhibition vol.7
絵画の何か Part3
Something of Painting Part3


港まちポットラックビルでは、これまで2015年、2017年と2回に渡り「絵画の何か」と題した展覧会/トークシリーズを開催し、この地域を中心に大きな反響を得てきました。
愛知はこれまで数多くの優れた画家を生み出してきた地域であり、多くの来場者とともに「絵画の何か」について考える有効な機会でしたが、「絵画の何か」についての明確な「何か」が答えとして見出されるわけではなく、この「問い」はこれからもなお続きます。継続的なシリーズの展開として、「絵画の何か Part3」を開催します。

そもそも絵画とは、画面のなかで世界を成立させながらも、社会との接点や、ものごとを多角的に捉える視点など、外部との繋がりを模索してきた表現だとも言えるでしょう。
本シリーズ企画者である佐藤克久は、この地域で制作活動を続けるアーティストの1人として、現在の絵画における「危機感」やその「広がり」についてを問題意識として提示してきました。
今回はこの地域をベースや関わりとしながら画家としてまた教育者として、それぞれの活動を展開してきた2名の画家にそれらの問題意識を投げかけ、引き続きこれからの絵画への可能性を探ります。
本展では会期を前期後期に分け、それぞれ個展形式で作品を展示します。

また会期中には、トークなどのイベントを開催し、本展シリーズを読み解き、絵画を思考する場をひらきます。

出展アーティスト

設楽知昭、秋吉風人

結局、私はいろいろふまえながら「良い絵」「まだ見ぬ何か」を目指して制作している。といいつつ要は制作することによってアイデンティティを形作ろうとしているのだろう。最初期の当たり前の問いに再び戻った感じだ。
制作を続けるという事は、人生を続けるという事でもあり、新たな経験や新たな考え方に触れ(最新の、という意味ではなく)、それらをこれまでの自分に集約することで成長や展開につながる。
「まだ見ぬ何か」を求めて作品を展開するとき、これまでの延長線上にある方向性や作品から導き出される必然的な次作とは異なり、あらためて自分に向き合う必要が出てくる。
今回の作家たちは、その展開の仕方が興味深い。
設楽知昭の絵画には独自の筆致が欠かせない。その時その時、自身の興味を貪欲に取り入れ筆致に集約する事で、まったく別物のような展開であっても設楽作品として立ち現われる。キャンバスに油彩という基本的な素材だけでなく、趣味性の高い楽器や古い生活雑貨を支持体にしたり、時間や光を取り入れたりもする。興味や趣味という私的な追求をギリギリ通り越して、未来の公共性に向かっている。
秋吉風人は制作方法を入念に計画し実行することによって、絵画を描くうえでの自由を獲得する。さらに「まだ見ぬ物」を描くために、自分自身を裏切るための仕組みを準備する。が、準備された「裏切るための仕組み」さえ裏切ろうとする制作姿勢には舌を巻くしかない。シリーズごとに別人のようなアプローチをみせ、作者性を否定しつつ、秋吉にしかできない展開として提示される。
彼らがみせる作品の展開は、作者自身をも置いてきぼりにするほど、飛躍したり別の文脈を備えたりしている。そのあり方に、同じ作り手としてとても興味が湧くのだ。

佐藤克久
レポート

写真|城戸 保(展示記録)、MAT, Nagoya

MAT Exhibition vol.7
絵画の何か Part3
開催日
[前期]設楽知昭|2019年1月22日(火)–2月16日(土)
[後期]秋吉風人|2019年2月19日(火)–3月16日(土)
時 間
11:00–19:00(入場は閉館30分前まで)
会 場
Minatomachi POTLUCK BUILDING 3F : Exhibition Space
休館日
日曜・月曜
料 金
無料
企 画
佐藤克久/Minatomachi Art Table, Nagoya [MAT, Nagoya]
主 催
港まちづくり協議会
協 力
不忍画廊、Standing Pine、TARO NASU

ポットラック・パーティー(持ち寄り歓迎・自由参加)|
[前期]2019年1月26日(土)19:00–
[後期]2019年2月23日(土)17:00–

【トークシリーズ「絵画の夕べ」】
Talking about Painting

同時代を生きる人びととともに、絵画について対話するトークイベント。 アーティストや美術館学芸員、専門家などをゲストに迎えます

オオギリ

愛知県立芸術大学で教鞭を執る設楽知昭と、美学を専門にする秋庭史典が話し手となり、2011年より研究室内で不定期開催していた座談会「オオギリ」。今回は本展にあわせ、一般公開します。「絵画という営み」を軸に、日常的なトピックから「なぜ絵画を描くのか?」という本質的な問いまで、来場者とともに思考をめぐらせます。

日時|1月26日(土)17:00-19:00
スピーカー|秋庭史典(美学者/名古屋大学准教授)、設楽知昭
定員|30名(予約不要)
会場|Minatomachi POTLUCK BUILDING 1F : Lounge Space
参加|無料(予約不要)

アーティストトーク

秋吉風人の作品や制作活動を振り返るトーク。名古屋で学生時代を過ごした秋吉が参加していたアーティストランスペース「dot」の活動や、2010年より7年間滞在したベルリンでの制作、また今年発表された新しい作品シリーズなど、これまでのアーティストとしての活動についてお話を伺います。

日時|2月23日(土)15:00–17:00
スピーカー|秋吉風人
定員|30名(予約不要)
会場|Minatomachi POTLUCK BUILDING 1F : Lounge Space
参加|無料(予約不要)

「絵画の何か・ラウンドテーブル」

東海エリアを拠点に、絵画制作をするアーティストたちとともに「絵画」をめぐるさまざまなトピックを取り上げ「絵画の何か」について議論するテーブルをつくります。
「制作・発表・教育・環境・地域性」など複数のテーマを軸に、キャリアや年代を問わず、広くオーディエンスにも公開し、問題・課題を共有する場を目指します。

日時|3月9日(土)15:00–18:00
定員|50名(予約不要)*定員になり次第、入場を制限させていただきます。
会場|Minatomachi POTLUCK BUILDING 3F : Exhibition Space
*14:00–18:00の間は展示はご覧いただけますが、イベント会場のため通常の状態とは異なりますのでご了承ください。
参加|無料(予約不要)

スピーカー|赤羽史亮(アーティスト)秋吉風人(本展出展アーティスト/名古屋芸術大学特任准教授)浅田泰子(アーティスト)阿野義久(アーティスト/愛知県立芸術大学教授)飯田志保子(あいちトリエンナーレ2019 チーフ・キュレーター)猪狩雅則(アーティスト/愛知県立芸術大学准教授)磯部由香子(アーティスト)今村 文(アーティスト)鵜飼聡子(アーティスト)遠藤俊治(アーティスト)大川 剛(アーティスト)大﨑のぶゆき(アーティスト/愛知県立芸術大学准教授)大杉好弘(アーティスト)奥村綾乃(清須市はるひ美術館学芸員)倉地比沙支(アーティスト/愛知県立芸術大学教授)小杉滋樹(アーティスト)塩津青夏(あいちトリエンナーレ2019 プロジェクト・マネージャー)設楽 陸(アーティスト/タネリスタジオ運営代表)杉浦 光(アーティスト)鈴木雅明(アーティスト)須田真弘(アーティスト/名古屋芸術大学教授)髙田裕大(アーティスト)田口美穂(アーティスト)田中藍衣(アーティスト)田中里奈(アーティスト)千葉真智子(豊田市美術館学芸員)都筑正敏(豊田市美術館学芸員)西山弘洋(アーティスト)野中祐美子(金沢21世紀美術館学芸員)野々村麻里(アーティスト)服部浩之(キュレーター/秋田公立美術大学准教授)花木彰太(アーティスト)馬場かおり(アーティスト)久常未智(アーティスト)藤永覚耶(アーティスト)福田良亮(アーティスト)古畑大気(アーティスト/Art Space & Cafe Barrackディレクター)堀 至以(アーティスト)前川宗睦(アーティスト)前畑裕司(アーティスト)丸山ナオト(アーティスト)三瓶玲奈(アーティスト)水野里奈(アーティスト)森川美紀(アーティスト)山口麻加(アーティスト/波止場ディレクター)横野明日香(アーティスト)

進行|拝戸雅彦(愛知県美術館企画業務課長)佐藤克久(アーティスト/本展企画者)Minatomachi Art Table, Nagoya [MAT, Nagoya](青田真也、吉田有里)

関連リンク
プロフィール
設楽知昭
Tomoaki Shitara

アーティスト
1955年 北海道生まれ。愛知県在住。
愛知県立芸術大学大学院を修了後、制作活動を続け、名古屋を中心に国内外で作品を発表。油彩、テンペラ、エンコスティック(蜜蝋)などを用いた絵画やノートに描くドローイング、近年ではピアニカや虫眼鏡などの用品を支持体とした作品など、絵画を中心に幅広く制作を行っている。
これまで個展を白土舎(愛知)、不忍画廊(東京)、STANDING PINE(愛知)などで、多数開催。主なグループ展に「放課後のはらっぱ」(愛知県美術館/名古屋市美術館、2009年)、「北の創造者たち」(札幌芸術の森美術館、2008年)「VOCA」(上野の森美術館、東京、1994年)などがある。
現在、愛知県立芸術大学教授。

《二人ノ片腕ノ私ガ手ヲ洗オウトスル》
2001


秋吉風人
Futo Akiyoshi

アーティスト
1977年大阪府生まれ。愛知県在住。
名古屋芸術大学大学院を修了後、大阪、ベルリン、愛知と拠点を移しながら、世界各地で作品を発表。描くという行為への執着と共に「絵画」という概念の解体と再構築を実験的に続け、複数の絵画シリーズとして展開している。
主な個展に「We meet only to part」(TARO NASU、東京、2018年)、「All for One」(SEXAUER、ベルリン、2018年)、グループ展に「あいちトリエンナーレ2010」(愛知芸術文化センター、2010年)、「絵画の庭─ゼロ年代日本の地平から」( 国立国際美術館、大阪、2010年)などがある。
2018年より、名古屋芸術大学准教授を務める。
www.futoakiyoshi.com
www.taronasugallery.com

《naked relations》 2016


佐藤克久
Katsuhisa Sato

美術家/本展企画者
1973年広島県生まれ。愛知県在住。
愛知県立芸術大学大学院を修了後、活動初期は概念的な立体や写真作品などを発表。近年では絵画形式を中心に制作活動を行っている。
主な展覧会に「絵画の現在地」(札幌大通地下ギャラリー500m美術館、2018年)、「あいちトリエンナーレ2016」(名古屋市美術館、2016年)、「反重力」(豊田市美術館、愛知、2013年)などがある。
「絵画の何か」シリーズの企画も務める。
satokatsuhisa.jimdo.com

《たんたん》 2018


同時開催
「み(ん)なとまちでなにする?展」
港まちづくり協議会のビジョン改訂を機に、港まちのこれまでとこれからについて考える展覧会を行います。
2019年1月26日(土)−3月16日(土)
会場|Minatomachi POTLUCK BUILDING 2F:Project Space