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MAT Exhibition vol.1
THE BEGINNINGS (or Open-Ended) Part1

THE BEGINNINGS (or Open-Ended) Part 1 THE BEGINNINGS (or Open-Ended) Part 1
Minatomachi Art Table, Nagoya [MAT, Nagoya]のこけら落としとなる本展は、ゲストキュレーターに飯田志保子を迎え、2組のアーティストによる展覧会を2期にわたって開催します。フィッシュリ/ヴァイスの代表作《事の次第》を両期間で通底させながら、Part1では毛利の過去作品を、Part2では毛利が港まちでリサーチを行い新作を発表します。

「THE BEGINNINGS (or Open-Ended)」Part2はこちらから

出展アーティスト

ペーター・フィッシュリ/ダヴィッド・ヴァイス、毛利悠子

ゲストキュレーター

飯田志保子

MAT, Nagoya、1回目となる本展は「THE BEGINNINGS (or Open-Ended)」と題し、2組のアーティストの作品を段階的に展示します。タイトルが示すように、本展はギャラリースペースのオープンを含む複数のものごとのはじまりと同時に、自然に発生するさまざまな反応や変化に対して開かれ、未来に向けて拡張していくアートの可能性を提示します。
近年、現代アートの展覧会、音楽家とのコラボレーション、舞台美術など多方面での活躍がめざましい毛利悠子の作品は、ほとんどガラクタ同然のような羽箒、電球、ベルといった日用品や、手作りの楽器などを主な素材としています。それらを組み合わせたインスタレーション作品は、方位磁石や観客の動きに応じて電気のスイッチが入ったり入らなかったりする仕掛けがあります。スイッチが入った場合に流れる微弱な電流によって、予測不能なタイミングでベルが鳴ったり、モノが突然動いたり回転したり、光が勝手に明滅したりする、偶発的な運動の連鎖が起こるのが特徴です。
こうしたモノ自体の可動性、流動性や、いつ事が起こるか分からない偶然性と不完全性を許容する態度は、結果的にものごとをゆるやかに接続し、運動を持続させます。その歴史的な名作として、毛利を含む多くのアーティストに影響を与えたのがスイスのアーティスト、フィッシュリ/ヴァイスの映像作品《事の次第》(1987 年)です。
本展はMAT, Nagoya の本格始動を記念し、これからはじまる創造的な活動の連鎖と継続の象徴となることを意図しています。

飯田志保子
レポート

MAT, Nagoyaの杮落しとして、飯田志保子をゲストキュレーターに迎え、2期にわたる展覧会を開催しました。
両期間で通底してフィッシュリ/ヴァイスの代表作《事の次第》(1986–87)を展示し、Part1では毛利悠子がこれまで断続的に発表している《大船フラワーセンター》(2011–)を、Part2では毛利が約半年に渡り、港まちを拠点に名古屋市内でリサーチ・制作を行い、《事の次第》へのアンサーを反映させた新作《Pleated images》、《fort-da》を展示しました。
2003年にartport(*)で開催された展覧会からキャリアをスタートさせた毛利が、当時東海エリアで築いたネットワークをもとに、今回新たな人や技術との出会いを経て、新作を完成させました。段階的なプロジェクトにより、意欲的な新作が生まれる貴重な機会となり、改めてMAT, Nagoyaがアーティストをサポートしていく意義を感じました。またフィッシュリ/ヴァイスと毛利、ともに事物が運動によりつながっていく作品の様子は、プログラムの始まりを想起させる、杮落しに相応しい企画になりました。

*artport
1999年から2003年にかけて、名古屋港ガーデンふ頭東地区の倉庫跡を市民の芸術活動やアーティストの創作活動場として活用したアートプロジェクト。

Part1

写真・映像|冨田了平
「THE BEGINNINGS (or Open-Ended)」Part1 関連イベント
毛利悠子によるアーティスト・トーク

開催日|2015年10月4日(土)14:00–16:00
会 場|Minatomachi POTLUCK BUILDING
参加費|無料
聞き手|飯田志保子
来場者|20人

Part1の展示や作品を紹介するとともに、毛利がPart2への展望を語りました。

MAT Exhibition vol.1 THE BEGINNINGS (or Open-Ended) Part1
開催日
2015年10月4日(日)–10月31日(土)[*Part2|2016年2月26日(金)–3月27日(日)]
時 間
11:00–19:00(入場は閉館30分前まで)
会 場
Minatomachi POTLUCK BUILDING 3F : Exhibition Space
休館日
日曜・月曜・祝日(ただし、10月4日(日)は開館)
料 金
無料
企 画
Minatomachi Art Table, Nagoya [MAT, Nagoya]
主 催
港まちづくり協議会
協 力
伊藤里織、早川勝利

関連リンク
プロフィール
ペーター・フィッシュリ/ダヴィッド・ヴァイス
Peter Fischli / David Weiss

アーティスト
ペーター・フィッシュリ:1952 年チューリッヒ(スイス)生まれ。チューリッヒ在住。
ダヴィッド・ヴァイス:1946年チューリッヒ生まれ。2012年に逝去。
1979年より共同で制作を始める。彫刻や映像、写真、インスタレーションなどさまざまなメディアを用いて、ありふれた日常の光景をテーマにユーモアや皮肉を織り交ぜた作品を発表している。
主な展覧会に「映像フェスティバル2013 よくある逆さま言葉 ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイスの世界」(北海道立近代美術館、2013年)、「Rock on Top of Another Rock」(Kensington Gardens, Serpentine Gallery、ロンドン、2013年)、「Peter Fischli/David Weiss」(Sprüth Magers、ベルリン、2013年 )、「ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス」(金沢21世紀美術館、2010年)など。世界各地で作品を発表している。

ペーター・フィッシュリ/ダヴィッド・ヴァイス
copyright the artists, Courtesy Galerie Eva Presenhuber, Zurich; Sprüth Magers, Berlin / London; Matthew Marks Gallery, New York, Los Angeles


毛利悠子
Yuko Mohri

アーティスト
1980年神奈川生まれ。東京在住。
日用品やジャンクと機械部品を再構成した立体物を展示環境に寄り添わせることで、磁力や重力、光、温度など、目に見えない力をセンシングするインスタレーション作品を制作している。2015年春より半年間、アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)の招聘でニューヨークに滞在。
近年の主な展覧会に「ヨコハマトリエンナーレ2014」(横浜美術館、2014年)、「札幌国際芸術祭 2014」(清華亭/チ・カ・ホ、2014年)、「Unseen Existence」(Hong Kong Arts Centre、香港、2014年)、「トランスメディアーレ 14」(ハウス・デア・クルトゥレン・デア・ヴェルト、ベルリン、2014年)、「おろち」(waitingroom、東京、2013年)、「サーカス」(東京都現代美術館ブルームバーグ・パヴィリオン、2012年)など。国内外で作品を発表している。東京の駅構内の水漏れの対処現場のフィールドワーク「モレモレ東京」を主宰。
mohrizm.net

毛利悠子
《I/O──ある作曲家の部屋》
横浜美術館(2014)
撮影:田中雄一郎
提供:横浜トリエンナーレ組織委員会


飯田志保子
Shihoko Iida

キュレーター / 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授
1975年東京生まれ。名古屋/ 東京在住。
1998-2009 年東京オペラシティアートギャラリーキュレーター。2011 年までクイーンズランド州立美術館に客員キュレーターとして在籍後、「あいちトリエンナーレ2013」共同キュレーター、「第15回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ」日本公式参加キュレーター、「札幌国際芸術祭 2014」アソシエイト・キュレーターなどを歴任。MAT, Nagoyaのコミッティーメンバーも務める。