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丹羽良徳「名前に反対」
MAT Exhibition・vol.3では、丹羽良徳による個展『名前に反対』を開催します。
無計画な法律によってゴミの焼却処理を禁じたフィリピンでは、あらゆるゴミが分別されず埋め立てられています。丹羽がメトロ・マニラ郊外に複数あるゴミ処理場のゴミ山の命名権を販売することを目論んだプロジェクト《ゴミの山の命名権を販売する》(2014ー15)。このプロジェクトでは、全ての人間活動から必然的に生まれるゴミの行き先である終末処理場と、錬金術的であり資本主義的な命名権ビジネスとを引き合わせることで、その実態の伴わない商売から生まれる「貨幣価値」と土地所有から生まれる「利権」を衝突させています。そしてその衝突により、人間にとって固有の権利であると考えられている「所有と命名」について再考することを試みています。
本展では、このプロジェクトを発端に、関連する様々なテキストを参照・構成することで、新作インスタレーションとして展開し、「名前」が持つ社会的な機能や特殊性がもたらす諸問題について考えます。
丹羽良徳
丹羽良徳による個展「名前に反対」を開催しました。
フィリピンでは現在、無計画な法律によってゴミの焼却処理が禁じられ、あらゆるゴミが分別されず埋め立てられています。丹羽がメトロ・マニラ郊外に複数あるゴミ処理場のゴミ山の命名権を販売することを目論んだプロジェクト《ゴミの山の命名権を販売する》(2014–15)。このプロジェクトでは、全ての人間活動から必然的に生まれるゴミの行き先である終末処理場と、錬金術的であり資本主義的な命名権ビジネスとを引き合わせることで、その実態の伴わない商売から生まれる「貨幣価値」と土地所有から生まれる「利権」を衝突させています。またその衝突により、人間にとって固有の権利であると考えられている「所有と命名」について再考することを試みています。
本展では、このプロジェクトを発端に、関連するさまざまなテキストを参照・構成することで、新作インスタレーションとして展開し、「名前」が持つ社会的な機能や特殊性がもたらす諸問題について考える機会となりました。
開催日|2016年1月16日(土)14:00–16:30
会 場|名古屋港エリア
参 加|無料
参加者|10人
丹羽と共に名古屋港エリアを歩き、さまざまなものに名前をつける過程から「名称とは何か」を考察するワークショップを行いました。
開催日|2016年1月23日(土)14:00–16:00
会 場|Minatomachi POTLUCK BUILDING 1F: Lounge Space
スピーカー|丹羽良徳、田中重好(社会学者/名古屋大学大学院環境学研究科教授)
参 加|無料
来場者|33人
《ゴミの山の命名権を販売する》をもとに、「公共性」から社会の課題について、アーティストと社会学者が対談を行いました。
開催日|2016年2月20日(土)14:00–16:00
会 場|Minatomachi POTLUCK BUILDING 1F: Lounge Space
参 加|無料
来場者|25人
丹羽が来場者に飲み物を振る舞い、これまでの自作とその思考、これからの活動について話しました。
本展に合わせて、名古屋市内にあるアートショップにて「丹羽良徳フェア」が開催されました。
開催日|2016年1月15日(金)–2月20日(土)
会 場|NADiff aichi(愛知芸術文化センター内)
アーティスト、1982年愛知県生まれ。
自身の状況を転置することで眼に見える現実を解体し「公共性」という幻想のシステムの彼岸を露出させる新たな物語を作り出す企てを記録映像として作品とする。主なプロジェクトに、東ベルリンの水たまりを西ベルリンに口で移しかえる《水たまりAを水たまりBに移しかえる》(2004)、震災直後の反原発デモをひとりで逆走する《デモ行進を逆走する》(2011)、社会主義者を胴上げしようと現地の共産党で交渉する《ルーマニアで社会主義者を胴上げする》(2010)やロシアの一般家庭を訪問してレーニンを捜し続ける《モスクワのアパートメントでウラジーミル・レーニンを捜す》(2012)など。移り行く思想哲学とその歴史を横断する活動を展開している。
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